【日本バドミントン協会メルマガ】 2025年5月号
【 日本協会Topics スディルマンカップ2025】
2年に一度開催される、世界国別団体戦のスディルマンカップが4月27日から5月5日まで中国の厦門で行われました。
男女シングル、男女ダブルスに混合ダブルスの全5試合で勝敗が決まる試合方式の団体戦、バドミントン日本代表『BIRDJAPAN』が国際舞台で唯一獲得していないタイトルがこのスディルマンカップです。(過去2015.19.21年の準優勝が最高位)
日本チームは、シダマツペアでお馴染みの全英オープン優勝の女子ダブルス志田/松山ペア。キャプテンの保木選手と小林選手の男子ダブルス。女子ダブルスではエース山口茜選手、次世代を担う宮崎友花選手といった16名のチームで今大会に参加しました。
グループリーグでは1試合も落とすことなく2勝を挙げて挑んだ、マレーシア戦では0-2からの3試合連続勝利の逆転勝ちで首位通過を決めました。
準々決勝では男子シングルスの渡邉航貴選手が金星を挙げ、チャイニーズ・タイペイに勝利するが、準決勝で大会3連覇中、開催国の中国に敗れて惜しくも第3位、銅メダルとなりました。
大堀ヘッドコーチ体制で初めてのBWFイベントと呼ばれる最上級のグレードの大会への参加となりましたが、五輪を経験した選手とこれからの日本を背負う選手が一体となり世界と戦う事が出来た今大会は、この後のロサンゼルスオリンピックに繋がる大会となりました。
期間中は、本会SNSでも選手の多くの表情を皆さんにお届けしファンの皆さんからも沢山のご声援をいただきました。
引き続き、バドミントン日本代表『BIRDJAPAN』へのご声援をよろしくお願いいたします。(企画本部メルマガ編集部)
【リレーコラム バドミントンにおける団体戦とは】
2025年のスディルマンカップは4月27日から5月4日にかけて中国・厦門で開催され、世界16カ国の混合団体が熱戦を繰り広げた。
日本代表はエースの山口茜、若手の宮崎友花を中心にベスト4まで進出。準決勝では開催国・中国に0-3で敗れたが、世代交代の兆しと次への可能性を示す大会となった。
優勝したのは地元・中国。個々の技術力に加え、試合前後の全体ミーティング、選手同士の信頼関係、そして「心理的安全性」の高い環境づくりが際立っていた。
選手一人ひとりが役割を明確に持ち、ミスを恐れず挑戦できる空気が生まれ、団体戦に不可欠な一体感が自然と醸成されていると感じた。
一方、日本代表にとってはこの準決勝敗退を糧とし、次への強化が問われる。今後の課題は大きく3つある。
まず1つ目は「組織づくり」
企業チームに所属する選手が多い日本では、個々の選手が「会社の代表」としての意識が強く、日本代表として“ワンチーム”になる意識の共有が難しい場合がある。
今後はナショナルチーム活動を通じて、選手が日本代表としての一体感と責任を自覚できるよう、心理的連携や理念の浸透を強化する必要がある。
2つ目は「オールジャパン体制の構築」
代表を支えるのは現役選手だけではない。OG・OBといった元選手の知見や経験を活かし、戦略分析やメンタルトレーニング、若手育成に継続的に関わってもらう仕組みを整えることで、より層の厚い代表強化体制が可能になる。
技術だけでなく“勝ち方”を知る世代の知恵を注ぎ込む環境が求められる。
最後の3つ目は「あと一歩を埋める準備力」
中国との差は、決して大きなものではなかった。
だが“勝ち切る力”において、データ分析・戦術構築・相手研究・メンタル管理などあらゆる準備が中国の方が一枚上手だったのは事実である。
日本も国際大会での情報共有体制を強化し、スタッフと選手が一体となって“勝つための準備”を徹底する文化の醸成が不可欠。
ベスト4という結果に満足せず、日本代表が組織として進化し、「個の力」から「チームの勝利」へと視点をシフトできるかが問われている。
スディルマンカップ初優勝への道のりは依然として険しいが、次回大会までにその“差分”をどう埋めるかが鍵となる。
個の力に頼るのではなく、組織として、そしてチーム全体で勝ち切る力を築いていけるか——その挑戦はすでに始まっている。
ご声援有難うございました。(本会理事:池田 信太郎)
次月は6月20日に配信いたします。
今後ともご支援ご協力の程よろしくお願い申し上げます。